すてきなご臨終
遺品整理想いての安藤です。
今回は『すてきなご臨終』をご紹介いたします。
この著書では、
本のタイトルである、大切なご家族が『素敵なご臨終』を迎えるために必要な知識、特に間違って認識していること、患者の様子から確認できる状況の変化などがまとめられており、それを踏まえ、家族はどういった対応をすれば良いか、どういった形をとれば患者さんが苦しまない最期を迎えられるのか?!
ということが書いている。
以下、私が気になった部分の著書の内容まとめと、最後は著書を読んで感じたことを一言付け加えました。
著書まとめ
【よくある誤解】
◯モルヒネの誤解
医療用麻薬であるモルヒネの印象は最終手段というイメージがあるが、適切に使えば危ない薬ではなく、むしろ患者を苦痛な状態のまま我慢させる方がよっぽど不幸にしている。
◯死について話すのは縁起でも無いという誤解
患者がまだしっかりとした意志を示せる時に、本人がどうしたいか決めておくべき。
事前の話し合いがされない場合、状態の変化が起こってからでは患者や家族は慌ててしまい、けっきょく家族の意見で決まってしまうことが多い。
自分の人生のしまい方は自分自身で決めたいと思うもの。
【様々なツラさ】
◯病によって襲われる4つのツラさ
身体的なツラさ、精神的ツラさ、社会的なツラさ、スピリチュアルなツラさ、さまざまなツラさは一つだけではなく、複雑に絡みあっていることが多い。
◯身体的ツラさには、内臓痛、体制痛、神経障害性疼痛がある。
内臓痛は痛い部分があいまいでズーンと重苦しい痛みで、医療用麻薬が効きやすい。
体勢痛は部位がはっきりした明確でズキッとした痛み、レスキュー薬の使用が重要になる。
疼痛はビリビリと電気が走るのうな、痺れるような痛みで、治療が1番難しい痛み。
◯周りに迷惑をかけない死にかたは、本当に良い死にかたなのか?
実際に『ピンピンころり』で亡くなれる人は16%ほど。
【認知症・老衰について】
◯認知症は最期がいつになるのか、全くわからない。ただ意欲の低下から鬱状態になり身体は衰え、肺炎リスクも高まり、体力が尽きて死に至ることも。
老衰に入ったら病院に入院させることはさせず、自宅で最期を迎えるほうが圧倒的に良い。
【脳梗塞・脳出血】
脳梗塞は発症してから3時間以内に血栓溶解療法により治療できなければ、少なからず後遺症をもたらしてしまう。
脳出血も急ぎの手術が必要になり、最悪は死に至る。強い頭痛が特徴。強い頭痛を訴えた時はできるだけ早く病院いく。
後遺症になると、ほぼ寝たきりや、食事が取れなくなることもある。
【余命宣告】
◯余命宣告は30%くらいしか当たらない。
余命3週間以内は割と適格に当たる
【最期が近づいてきた時】
◯最期を迎える変化を知っておく〜数週間前〜
がん患者は急激に体温が下がる。
自力で動けなくなっていく。
寝ている時間が増える。
(人が弱っていくと赤ちゃんが成長していく時間と逆の時間を辿っていく)
食べられなくなる。
せん妄(自分の状況がわからなくなる)が激しくなる。
息苦しさが悪化していく。
意思表示ができなくなる。
痛み止めが効かなくなる。
◯最期を迎える変化を知っておく〜数日前〜
ほとんど1日中寝ているようになる。
唾液も飲み込めなくなり喉がゴロゴロ鳴る(スポンジに水じゃなくても水分を染み込ませて下に)
呼吸が浅くなっていったり、あごで呼吸するようになる。
手足が冷たく色が変わってくる。
◯がん患者の最後
がん患者の家族に聞いたアンケートで、苦しまずに亡くなったと答えた回答は50%ほどしかなく、2人に1人は苦しみながら最後を迎えたという結果が出ている。
【痛み止めについて】
◯痛み止めの使い方
絶対に痛みを我慢させない。
痛い時に飲むのではなく、定期的に飲む。
痛み止めの使用は弱いものから強いものへと移行していくのが基本
◯追加で使用する薬
レスキュー薬(追加で使用する薬)の使い方は1時間に一回使用していいことにはなっているが、頻繁に追加するようであれば、定期的に飲む薬の量を変えるほうが良い。
効いてくるまでに20〜30分かかるので、ものすごい痛みがくる前に予想できるなら事前の飲んでおくのがベスト。
◯呼吸困難と呼吸不全
酸素を吸って確実に楽になるのが呼吸不全である。
呼吸不全にもかかわらず、息苦しさがあまり出ない人は要注意
【医師の本音】
◯医師が終末期に過ごしたい場所は?
医者に終末期を過ごす場所についてアンケートを取った際、病院と自宅では、自宅での在宅緩和ケアの方が選ばれている。
自身の感想
この著書を読んでいて、病気や衰弱により最期が近づいてきた家族(患者)に対して、様々な知識がなければ間違った対応を行なってしまうのを実感できたこと、そして患者はできるだけ在宅ケアを望む方が多い現状に対し、対応出来る知識のなさや時間の無さから、病院に入院させたほうが、何かと安心と思ってしまう気もした。
実際にほとんどの人が、そのような対応のみになってしまっている現実も非常に多い昨今である。
まったく病院が悪いということではなく、ただ家族(患者)がそれを望んでいない場合は、やはり望み通りの最期を迎える手伝いをしてあげたいというのが理想の想いである。
患者が本当に辛いと感じることはなんなのか?!
それをしっかりと理解出来る人間でいたいし、やはり本人が思っている通りに過ごせるようにサポートしてあげたい。
それができるように最低限、今後も知識はしっかりと準備しておくようにはしようと思いました。